兵庫県庁の建て替えで押さえるポイント7つ|費用や時期の見方まで整理できる!

兵庫県庁の建て替えは、単に古い建物を新しくする話ではなく、耐震性、災害対応、県民サービス、元町周辺のまちづくりが重なった大きな再整備計画です。

2026年6月時点では、令和7年12月に新庁舎等整備プロジェクト基本構想が策定され、令和8年度に基本計画をまとめる段階へ進んでいます。

一方で、過去には建設費の高騰や働き方の変化を理由に計画が一旦凍結された経緯もあるため、費用や完成時期だけを見ると全体像を誤解しやすいテーマです。

兵庫県庁の建て替えについて知りたい人は、現在の方針、過去の見直し理由、概算事業費、暫定移転、元町エリアへの影響を順番に押さえると理解しやすくなります。

兵庫県庁の建て替えで押さえるポイント7つ

兵庫県庁の建て替えは、すでに方向性が出ている部分と、基本計画の中で今後具体化される部分が分かれています。

現在の段階

2026年6月時点の兵庫県庁の建て替えは、基本構想をもとに基本計画を作る段階です。

令和7年12月に策定された新庁舎等整備プロジェクト基本構想では、新庁舎を整備する方針が示されています。

令和8年3月には基本計画の策定支援事業者が決まり、県庁舎機能整備計画とモトキタエリア整備計画を含めて検討が進められています。

つまり、建て替えの必要性や大枠の方向は固まりつつありますが、細かな設計や工事手法はこれから詰める段階です。

項目 内容
確認時点 2026年6月時点
大枠方針 新庁舎を整備
現在の作業 基本計画の検討
主な対象 県庁舎と県民交流機能
周辺テーマ モトキタエリアのにぎわい

建て替え理由

建て替えの大きな理由は、県庁1号館、2号館、議場棟、別館、西館などの耐震性不足です。

これらの建物は阪神・淡路大震災で大きな被害を受け、その後も老朽化が進んできました。

県の資料では、防災拠点に求められる耐震安全性の目標を満たしていないことが示されています。

県庁は大規模災害時に災害対応の司令塔になる場所なので、一般的なオフィスビル以上に業務継続性が重視されます。

  • 大規模地震への備え
  • 職員と来庁者の安全確保
  • 災害対応拠点の維持
  • 老朽設備への対応
  • 県民サービスの継続

一旦凍結

兵庫県庁の建て替えは、最初から現在の形で進んでいたわけではありません。

令和元年6月に県庁舎等再整備基本構想が策定され、庁舎を集約して建て替える方向が示されました。

しかし、新型コロナを契機に働き方が変わり、建設費も高騰したため、令和4年3月に県庁舎等再整備事業は一旦凍結されました。

その後、テレワーク、庁舎機能、災害対応、元町周辺のにぎわいを含めて再検討され、現在の新庁舎等整備プロジェクトへつながっています。

費用の見方

費用を見るときは、新庁舎の整備費だけでなく、移転や改修などの関連経費も分けて考える必要があります。

新庁舎等の概算事業費は約650億円とされ、国庫や有利な地方債の活用により県の実質負担を約560億円へ抑える考えが示されています。

一方で、職員の早期安全確保に向けた民間オフィスへの移転経費、3号館の改修経費、備品整備費など関連経費も発生します。

そのため、報道や資料で費用を見る際は、約650億円と関連経費を含めた約810億円規模を混同しないことが大切です。

区分 金額の目安
新庁舎等の概算事業費 約650億円
県の実質負担 約560億円
関連経費 約160億円
関連経費込みの見方 約810億円規模
注意点 今後の精査で変動あり

整備規模

新しい計画では、従前計画よりも整備規模を抑えたコンパクトな庁舎を目指しています。

令和7年12月の基本構想資料では、県庁舎等の想定規模は約9万2000平方メートルとされています。

内訳は行政部門、議会部門、県民交流部門、駐車場で構成され、県民会館機能も庁舎側へ集約する考えです。

現3号館は活用を続けるため、すべてを新築するのではなく、既存施設の活用と新庁舎整備を組み合わせる計画です。

完成時期

完成時期は、基本構想上では2030年代前半を目指す流れです。

令和8年度に基本計画を進め、令和9年度に基本設計、令和10年度以降に実施設計と工事へ進むスケジュールが示されています。

ただし、既存建物の撤去時期、整備手法、事業者選定、建設費の動向によって時期は変わる可能性があります。

そのため、現時点では「2030年代前半が目標」と理解し、確定した開庁日が決まっている段階ではないと見ておくのが現実的です。

  • 令和7年度に基本構想
  • 令和8年度に基本計画
  • 令和9年度に基本設計
  • 令和10年度以降に工事
  • 2030年代前半の完成目標

暫定移転

建て替えまでの間も、耐震性が不足する1号館や2号館で働き続けるわけにはいきません。

兵庫県は職員の安全確保のため、令和7年度以降に本庁舎機能を3号館などの県有施設や民間オフィスへ分散移転する方針を示しています。

移転先には、3号館、生田庁舎、災害対策センター、三宮国際ビル、六甲アイランドビル、神戸ファッションマートなどが含まれます。

来庁者にとっては、手続き先の建物が変わる可能性があるため、訪問前に担当部局の配置を確認する重要性が高まります。

区分 主な移転先
県有施設 3号館や生田庁舎
防災関連 災害対策センター
民間ビル 三宮国際ビルなど
大規模移転 六甲アイランド方面
来庁者の注意 部局配置の確認

なぜ建て替えが避けにくくなったのか

兵庫県庁の建て替えが注目される理由は、老朽化した庁舎の見た目だけでなく、防災拠点としての機能不足にあります。

耐震診断

県庁1号館、2号館、議場棟、別館、西館は、平成30年度や平成28年度の耐震診断で耐震性の不足が判明しました。

旧耐震の建物では、地震に対する強さを示す指標としてIs値が使われます。

防災拠点では一般の建物より高い水準が求められるため、県庁舎には通常の建物以上の安全性が必要です。

県資料では、対象建物が防災拠点の目標値だけでなく、一般的な安全性基準も下回る状態だと整理されています。

観点 内容
対象建物 1号館や2号館など
主な問題 耐震性不足
防災拠点の目標 Is値0.9程度
一般的な基準 Is値0.6程度
県資料の整理 いずれも不足

老朽設備

建て替えの理由は、耐震性だけに限られません。

古い庁舎では、電気、空調、給排水、防水、内外装などの劣化が進みやすくなります。

補修を重ねても、建物全体の使い勝手や安全性を根本から変えるには限界があります。

県民が利用する庁舎として見ると、バリアフリー、セキュリティ、執務環境の改善も大きな課題です。

  • 空調設備の老朽化
  • 給排水管の劣化
  • バリアフリーの制約
  • 会議室不足
  • 執務室の狭さ
  • セキュリティ区分の弱さ

防災拠点

県庁は平時には行政手続きの拠点ですが、災害時には県全体の対応を支える中枢になります。

南海トラフ地震などが想定される中で、発災直後から使えない庁舎では、県民生活や経済活動を支える機能に支障が出ます。

新庁舎には、災害対応部門の連携、受援スペース、一時避難スペース、ライフラインの確保などが求められています。

単なる建物更新ではなく、被災後も動き続ける行政拠点を作ることが計画の中心にあります。

費用はどこまで圧縮されたのか

兵庫県庁の建て替えでは、当初計画からの費用増加と、その後の圧縮方針が大きな論点になっています。

従前計画

令和元年度の構想では、県庁舎と県民会館を含めた大規模な再整備が想定されていました。

その後、資材価格や人件費の上昇により、従前計画の事業費は大きく膨らむ見通しになりました。

建設通信新聞などでは、従前計画が1000億円を超える規模になったことと、現在の方針で約650億円まで圧縮する流れが報じられています。

県の基本構想資料でも、今後の建設費動向を踏まえ、各段階で適切に見直す姿勢が示されています。

時期 費用感
令和元年度の構想 約700億円程度
高騰後の見通し 1000億円超規模
令和7年度の新構想 約650億円
県の実質負担 約560億円
今後の扱い 基本計画で精査

規模抑制

費用を圧縮する主な考え方は、必要機能を確保しながら整備面積を最適化することです。

令和7年度の基本構想では、従前計画のように大きく広げるのではなく、県民会館機能を庁舎と合築する方針が示されています。

行政機能、議会機能、県民交流機能を分けて考えつつ、共用化や多機能化で面積を抑える考え方です。

この圧縮は、費用削減だけでなく、将来の維持管理費を抑えるうえでも重要になります。

  • 庁舎機能の集約
  • 県民会館機能の合築
  • 会議室の共用化
  • 多機能スペースの活用
  • 3号館の継続利用
  • 財源活用による負担抑制

面積内訳

令和7年度の基本構想では、県庁舎等の想定規模が約9万2000平方メートルと整理されています。

行政部門は約6万3500平方メートル、議会部門は約1万1500平方メートル、県民交流部門は約6500平方メートル、駐車場は約1万500平方メートルです。

従前計画の約13万1500平方メートルと比べると、全体規模はかなり抑えられています。

ただし、3号館を現状のまま活用するため、新しく建てる部分と再整備後の全体規模を分けて見る必要があります。

区分 想定規模
行政部門 約63,500㎡
議会部門 約11,500㎡
県民交流部門 約6,500㎡
駐車場 約10,500㎡
合計 約92,000㎡

工事中の県庁機能はどう動くのか

兵庫県庁の建て替えでは、完成までの間に県庁機能をどう維持するかも重要な論点です。

分散配置

耐震性が不足する庁舎から職員を移すため、県は暫定的な本庁舎再編を進めています。

知事や副知事室、総務部、企画部、財務部などの中枢機能は3号館を中心に配置されます。

土木部のように危機管理部との連携が必要な部局は、生田庁舎への配置が示されています。

一部の部局は、三宮国際ビル、六甲アイランドビル、神戸ファッションマートなどの民間オフィスビルへ移ります。

移転区分
中枢機能 3号館
土木関連 生田庁舎
保健医療関連 三宮国際ビル
県民生活関連 六甲アイランドビル
教育委員会関連 神戸ファッションマートなど

来庁前確認

工事や移転が進む期間は、従来と同じ感覚で県庁に行くと、担当窓口が別の場所に移っている可能性があります。

特に許認可、相談、事業者向け手続き、県民情報センター関連の用事では、部局名と所在地の確認が重要です。

県の本庁舎再編ページでは、部局ごとの移転時期や配置が随時更新されるため、直前確認が役立ちます。

遠方から来庁する場合は、電話やオンライン手続きの可否も先に調べておくと移動の無駄を減らせます。

  • 担当部局名を確認
  • 移転先の建物を確認
  • 受付時間を確認
  • 予約の要否を確認
  • オンライン対応を確認
  • 最寄り駅を確認

働き方

兵庫県庁の建て替えでは、職員の働き方も庁舎規模に大きく関係します。

コロナ禍以降、テレワークやフリーアドレスの活用が進み、従来のように全員分の固定席を前提にする考え方が見直されました。

一方で、県の検証では出勤抑制によるコミュニケーション不足や人材育成の難しさも課題として整理されています。

そのため、新庁舎では単に席数を減らすのではなく、対面で集まる価値と柔軟な働き方を両立する空間づくりが求められます。

働き方の視点 庁舎への反映
テレワーク 席数の最適化
対面業務 交流空間の確保
資料削減 ペーパーレス化
組織改編 柔軟なレイアウト
職員満足度 快適な執務環境

元町エリアはどう変わるのか

兵庫県庁の建て替えは庁舎内だけで完結せず、元町駅北側のモトキタエリアのまちづくりにも影響します。

県民交流

旧県民会館は、ホール、ギャラリー、貸会議室などの県民活動の場として使われてきました。

新しい計画では、これらの機能をそのまま大規模に再現するのではなく、需要や周辺施設との役割分担を踏まえてスリム化する方針です。

県民交流機能は新庁舎と合築され、庁舎機能と一体的に運用することで利便性と効率性を高める考えです。

県庁に用事がない人でも使いやすい空間になるかどうかが、今後の設計で注目されます。

機能 方向性
ホール 需要に応じて再整理
ギャラリー 中小規模を検討
貸会議室 県民利用を想定
交流空間 庁舎と一体運用
魅力発信 ひょうご五国を発信

にぎわい

元町駅北側のエリアは、三宮や元町駅南側に比べて人の流れが弱いことが課題として整理されています。

県庁周辺には県公館、相楽園、教会、学校などの地域資源がありますが、それらを回遊につなげる動線が十分ではありません。

新庁舎整備では、県庁敷地や周辺敷地に緑、広場、イベント、民間提案によるにぎわい機能を導入する考えが示されています。

庁舎を閉じた行政施設にするのではなく、地域に開かれた拠点にできるかが重要です。

  • 緑のある広場
  • 県公館の活用
  • イベント利用
  • 民間提案エリア
  • 歩きやすい動線
  • 元町駅からの回遊

災害時活用

新庁舎周辺の広場や交流機能は、平時のにぎわいだけでなく、災害時にも活用する考え方が示されています。

平時はイベントや憩いの場として使い、災害時には一時避難スペースや支援活動の場として転用できる設計が重視されます。

このように、日常と非常時の両方で機能する考え方は、フェーズフリーなまちづくりとして整理できます。

兵庫県庁の建て替えは、阪神・淡路大震災の経験を踏まえた防災拠点づくりでもあるため、周辺空間の使い方まで含めて見る必要があります。

場面 使い方
平時 交流やイベント
災害時 一時避難
行政運営 支援受け入れ
地域連携 回遊拠点
設計思想 フェーズフリー

今後どこを見れば進捗がわかるのか

兵庫県庁の建て替えは長期プロジェクトなので、完成予定だけでなく、基本計画、設計、移転、周辺整備の進捗を分けて追う必要があります。

基本計画

最も重要なのは、令和8年度にまとめられる基本計画の内容です。

基本計画では、県庁舎機能の配置、面積、整備手法、事業費、財源、周辺敷地の活用方針がより具体化されます。

令和8年3月に決まった策定支援事業者は、昭和設計・NTTファシリティーズ設計共同体です。

委託期間は令和8年3月30日から令和9年3月31日までとされており、この期間の議論が計画の骨格を左右します。

確認点 見る内容
面積 最終的な規模
費用 精査後の事業費
財源 県負担の見込み
手法 設計と工事の進め方
周辺活用 モトキタ整備方針

事業者選定

大型公共施設の整備では、どの段階でどの事業者が関わるかによって、工期や費用管理のしやすさが変わります。

基本構想では、事業期間の短縮を図るため、基本計画と基本設計を一体的なプロポーザルで進める考えも示されています。

今後は、設計者、施工者、民間提案エリアの事業者募集などが順次重要になります。

費用が再び膨らまないかを見るには、事業者選定の条件や中間報告の内容を追うことが有効です。

  • 基本計画の中間報告
  • 基本設計の進捗
  • 施工方式の選定
  • 事業者募集条件
  • 民間提案の内容
  • 費用見直しの有無

移転情報

県民にとって直近で影響が出やすいのは、新庁舎の完成よりも本庁舎機能の暫定移転です。

令和8年5月ごろから既存庁舎への移転が順次進み、令和9年以降には民間オフィスへの移転も本格化する流れが示されています。

窓口利用者や事業者は、手続き先の所在地が変わるタイミングを見落とさないことが大切です。

特に年度替わりや組織改編の時期は、配置が変わる可能性もあるため、最新の部局配置を確認してから動くのが安全です。

対象者 注意点
県民 窓口所在地の変更
事業者 担当課の移転
職員 分散勤務の開始
周辺店舗 人流変化の影響
訪問者 交通経路の確認

兵庫県庁の建て替えは費用よりも進め方を見る段階

兵庫県庁の建て替えは、2026年6月時点では基本構想から基本計画へ進む段階にあり、最終的な設計や工事内容はこれから具体化されます。

建て替えの根本理由は、1号館、2号館、議場棟、別館、西館などの耐震性不足と老朽化にあり、災害対応拠点としての安全性確保が大きな目的です。

費用面では、新庁舎等の概算事業費約650億円、県の実質負担約560億円、関連経費約160億円というように、どの範囲の金額かを分けて見る必要があります。

完成目標は2030年代前半とされていますが、基本計画、基本設計、実施設計、工事、既存建物の撤去が順番に進むため、途中で見直しが入る可能性もあります。

今後は、令和8年度の基本計画、暫定移転の部局配置、モトキタエリアの活用方針、事業費の再精査を追うことで、兵庫県庁の建て替えの実像が見えやすくなります。